金子研究室 - 名古屋大学大学院 教育発達科学研究科 心理発達科学専攻 / 名古屋大学 心の発達支援研究実践センター

研究内容

現在,金子研究室では以下の3点に重点をおいて,研究活動を進めています.

(1) 産後うつ病および産後愛着障害の地域における効果的な援助方法の開発

「産後の肥立ちが悪い」という言葉があるように,産後にお母さんの心身の調子が崩れやすいことは,昔から広く知られていました.実際.産後の母親の約15%にうつ病が認められることが,これまでに数々の研究で繰り返し示されています.産後うつ病になった場合,お母さん本人が大変苦しい状態となるために,子どもに愛情を感じることができず,子育てもうまくいかなくなることがあります.したがって,産後うつ病の家族へいかに適切な援助を行うかは,大変重要な課題となっています.

加えて,産後うつ病ではないのに子どもに愛情を感じられない母親も,近年注目されるようになってきました.諸外国では,これらを産後愛着障害として検討しています.ところが,日本においては,産後うつ病に比べて認知度が低いために,周囲から気づかれにくく,見落とされやすい状況となっています.しかし,産後愛着障害の母親も産後うつ病の母親と同様に,子どもに愛情を感じることができず,子育てに困難を感じていることが,徐々に明らかになってきました.

本研究室では,愛知県内の保健センターと協同して,産後うつ病および産後愛着障害の母親に対する効果的な介入方法を検討しています.

(2) 近赤外線分光法を用いた母親と乳児の相互作用の検討

近赤外線分光法(Near infrared spectroscopy: NIRS)を使用して研究を進めています.近赤外線分光法は,生体に無害な光を頭皮にあてることで,脳の血流量を測定します.fMRIなどに比べて身体的拘束が少なくて済むため,簡便に脳活動を測定することができます.これまでは,成人の認知機能を対象とした基礎的な研究を行いました.現在は,広汎性発達障害やADHDなどの発達障害児を対象とした研究を行っています.また,乳児の親子相互作用を検討する研究を遂行するために,準備を進めています.

(3) 児童期青年期のメンタルヘルスに関する日本とフィンランドとの国際比較研究

インターネット依存,ネットいじめ,自傷行為,ひきこもりなどの児童青年期の心理的問題について,発達心理精神科学教育研究センターに客員教授として赴任していたフィンランドTurku大学のSourander教授と,国際協同比較研究を開始しました.

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